ひらおリーグ開催にあたって

ひらおリーグの企画は2003年から行ってましたが、準備やGPSの普及の問題もありやっと、2004年の秋より行う事が出来ました。

 以前はパイロン競技というと、上級パイロットの領域で敬遠されがちでした。しかし、一度でもパイロン競技に参加された方は、フリーフライトでは体験できない面白さを感じられた事と思います。
 私自身、競技ではそんなに良い成績は残してませんが、昔からどうにかして沢山の方に競技フライトの楽しみを味わって頂けないものかと思っていました。従来のパイロンを回り写真を撮るスタイルですと初めての方は写真を撮る事も大変ですし、フライト後は現像もあり、主催者はパイロットから出された小さなネガフィルムを見ながら判定・集計をしなければならず、参加者・主催者共に気軽に「今日はタスクを組んでパイロン競技をやろうか!」とはいきませんでした。もちろん写真をとらず単にタスクを決めパイロンを回り自己申告により行う事も出来ますが、フライトタイムは分かりませんので順位も付けられず、スキルアップにもつながりにくいでしょう。

 GPSの普及により随分手軽に競技が行えるようになり楽しみ方も増えました。
 事前に準備することはGPSにパイロンデータを入れるだけ、写真のように白黒フィルムや現像キットを用意することもなく、テイクオフに上がってから「今日は条件も良いしちょっとレースをやってみようか!」でもOK。写真のように空中で操作がおろそかになることもありません(一部のGPSでは操作が必要ですが)、撮影時にけっこうパイロンがサーマル源だったりして怖い事もありましたね。飛行の確認も写真の場合はFAIセクターという決められた角度に従って撮影しますのでパイロンがピークに有ったりすると山の後ろに回り込まねばならずリスクもありましたが、GPSの場合はシリンダー(筒)という概念ですのでパイロンからの決められた円(例えば半径300m)に入れば良いので無理して回り込む必要もなく、リスクも減りました。
 そして新しい楽しみは、フライト後に各自のフライトがつぶさに分かり簡単に比べる事が出来、パソコンの画面上で全員のフライトを3Dで再現する事ができますので、自分以外のパイロットの動くタイミング、コースどりなども勉強になるでしょう。
そのうちプロジェクターの大画面で再現したいですね。

もちろん、GPSを使ったパイロンレースには注意点もあります、一番気を付けなければならない事は、GPS操作や画面を注視するあまり周囲警戒がおろそかになりやすい事です、その点に注意して参加して頂ければ、課題をもってフライトする事によりフリーフライトでは体験できない楽しさが広がり、知らず知らずのうちにスキルアップすることでしょう。

まだ、ひらおリーグは始まったばかりです、改善点も出てくると思います、お気づきの点が御座いましたら、お申し出下さい。

GAPシステムについて
従来の競技のスピードランでは、短いフライトタイムでゴールすると高得点でした。そこでライバルよりちょっと後にスタートし、先行させ最後に追い越すという作戦もできました、でも難しいのは誰もいない所をトップで進む事ですよね。GAPシステムでは距離得点、タイム得点以外にデパーチャー ボーナス(先行者ボーナス)やアライバルボーナス(到着順位ボーナス)や各種パラメータにより、より公平な得点となり、タスク距離、条件、参加人数なども考慮されています。
GAPは現在、世界選手権やJPAナショナル/オープンリーグで採用されて、競技の標準計算式となっております。


グットフライトを!!

                                                                   エアーハート・富重