Chill Outのニュージーランドフライトレポート

ニュージーランドにパラグライダー修行の旅に行ってきました。(笑)飛べたのは、12日間の日程の半分にあたる6日間でしたが、ニュージーランドの雄大な自然に囲まれてパラグライダーの楽しさを再発見しました。もちろん飛べなかった日もそれなりに観光や食べ歩きで楽しかったのですが、飛べた日のレポート(ベストフライト3本)をお届けします。会長は届けなくていいと言うとは思いますが。。。(笑)

121日(水)


ニュージーランドに入国して4日目。これまでは南風が強く飛べていません。ニュージーランドでは、南極から吹く風は冷たく強いことが多いのです。まあ、日本で言えば、冬の北風みたいなもんですね。ニュージーランドではクィーンズタウンというリゾート地で12日間を過ごしました。ここクィーンズタウンには、日本人オーナーkoさんがいるフライトエリア「フライトパーク」があります。私は「フライトパーク」のランディングにあるクラブハウスに居候しています。今朝は快晴。今日は飛べるかも?と期待に胸を膨らませます。


居候したフライトパーククラブハウス      フライトパークの馬とロバ

テイクオフに上る車が来るまで、日課となった馬とロバに餌をやってブラッシングをして待ちます。そのうちに観光タンデムが数機ランディングしてきました。ここクイーンズタウンでは、観光タンデムが盛んです。しかし、ここの観光タンデムはフライヤーも乗ってみてもいいかも?ゆっくり雄大なニュージーランドの風景を楽しめるのはもちろんですが、ランディング上空200メートルくらいから、ウイングオーバー、続けてスパイラルでランディング上空30メートルくらいまで降下してきます。わぁー、きゃーというパッセンジャーの声がランディングに響き渡ります。さすがは世界各国から集まってきているプロのパイロットたちです。中にはSATをする猛者もいて、腕の違いのを感じました。

しばらくして、観光タンデムのパイロットから「一緒にテイクオフに上がるかい?」と言われましたが、初めてのエリアのため「koさんを待ってから上がるから。。。」と断りました。続々とタンデムがランディングしていきますが、koさんはなかなか来ません。痺れを切らしてkoさんの自宅に電話すると、「あれ?観光タンデムをしているシャイに一緒に上がるように頼んでいたんだけど。。。」、「オーマイゴット!一緒にテイクオフに上がるかい?の後にえらく長く何か言っていたのはこういうことだったのか〜。。。。」ということで、英語力のなさを露見してしまいました。英語力って必要ですね〜。。。
 
中央の白い場所がフライトパークのメインテイクオフ    四角に囲んだ範囲がランディングエリア

「もうすぐフライトパークに行きますから、一緒に上がりましょう!」とkoさん。koさんの到着を待って、早速テイクオフへ移動します。ランディングからテイクオフまで20分、高度差は約700メートル。テイクオフの標高は1,450メートルあるため、季節は初夏だと言うのに結構寒いです。5度くらい??慌ててフライトスーツを着ますが、冬用のグローブを持ってきてないことをちょっと後悔。まさか夏にこんなに寒いとは。。。

koさん、地元フライヤーが続々とテイクオフしていきます。テイクオフに独り残されてしまいました。まあ、広いテイクオフだし、スタ沈してもひっかかる木もないし、意外とプレッシャーがないため、華麗(?)にテイクオフ。とりあえずニュージーランド初フライトということで、ランディングを目指して一直線!途中、おいしいピッピッピッというバリオの音が。そこそこ大きなサーマルのようなので、ゆっくり右に体重を乗せて緩やかに360度旋回。毎秒2メートルで上昇していきます。あっという間に+200メートル。しかし、周りに機体が1機もいません。。。「ここはもしかして風が変なところなの?」「やばいところで上げてる?」とかなり不安になり、気が弱い私はランディングに向かったのでした。後でkoさんに聞くとkoさんが私の遥か上空で遊んでいたとのこと。しばらくランディング上空で遊んで無事にランディング。フライト時間30分。

先ほどのビビリフライトのリベンジということですぐにテイクオフへ。今度も華麗(?)テイクオフをしたのはいいが、バリオのスイッチがオフになっています。が〜ん。。。なかなかバリオのスイッチが入らず、上昇している場所を素通りしてしまいます。「う〜ん。。。もしかしてちょっと緊張しているのかな?」やっとバリオのスイッチも入り、戦闘モードに。早速、先ほど上昇したサーマルポイントへ。しかし、上昇するには上昇するのですが、いまいち上がりが悪いようです。50メートルの間を上がったり下がったり。ふとランディングの方を見るとハンググライダーがいい感じで上げています。これはあっちの方がいいかも?ということでアクセル全開・移動。案の定、ピッピッピッというバリオのいい音が。じっくり、サーマルの大きさと強さを確認した後、翼が下から突き上げられている左の方へ体重を乗せ、360度旋回。「あら〜。。。苦手な左旋回だなぁ〜。。。」と思いながらも順調に毎秒3メートルで上昇していきます。順調に300メートルの高度を獲得。まだまだサーマルの活動は順調です。しかし予想外に山裏に流されています。テイクオフ前に言われたkoさんの「山裏にあんまり入っちゃダメだよ。山裏に降りちゃうと道もないし、帰って来れなくなっちゃうよ。」との言葉が頭を過ぎります。「ニュージーランド初フライトで遭難は洒落にならない。」と言うことで、サーマルを離脱しました。その後もランディング上空をウロウロしながら、写真を撮ったりしてニュージーランド初フライトを堪能しました。フライト時間1時間。

紫外線が日本の5倍程度もあるニュージーランドでの初フライトは、意外と疲れました。2本飛んだ後はゆっくりと観光タンデムを見ながらシェスタ(午睡)と洒落込みました。

126日(月)

朝起きると、山は真っ白。初夏と言うのに山には雪が降り積もっています。しかし、今日は飛べそうです。朝早く朝食を済まし、観光タンデム軍団にテイクオフまで上げてもらおうと待っていますが、なかなかフライトパークにはやって来ません。そのうちに、テイクオフからタンデムが飛んできます。虎視眈々と上げてもらおうとする私を横目に、観光タンデムはクィーンズタウンから直接テイクオフに上っていたのです。今日は朝から風もいい感じです。サーマルも穏やかなようでタンデムも優雅に飛んでいます。
 
テイクオフは雪の中、まあ確かにスキー場ですが。   雪の中華麗にテイクオフ。

やっとテイクオフに上がる観光タンデムの車がランディングにやってきました。今日、日本から到着したAさんと一緒にテイクオフに上がります。テイクオフは案の定、一面雪の中。しかも快晴のため、少しずつ溶けていっています。すぐにブーツの中は濡れて冷たくなりました。さらに、風は無風、時々弱いフォローです。あまりよい条件ではありません。テイクオフは観光タンデムを優先させてあげないといけないので、テイクオフの後ろで私たちは待機。徐々にパラグライダーが入ったザックが濡れていくのが分かります。しかし、この風だとさすがにプロのパイロットも苦労しているようです。ソロなら出れない風ではないのですが、観光タンデムは2度テイクオフ失敗。雪まみれになってしまいました。しばらくウェイティングしていたのですが、観光タンデムは次のお客さんが待っているということで下山するとのこと。風が良くなる可能性は十分にありますが、このまま飛べずに雪のテイクオフに残されては洒落になりません。しぶしぶ下山することにしました。ランディングに着いてしばらくするとタンデムが何機か飛んできます。「あら〜。。。やっぱり残ればよかったのかぁ〜。。」と思っても後の祭りです。

しばらくしてkoさんと日本から遊びに来られているSさんがランディングへやって来ました。早速、日本人グループでテイクオフへ移動。テイクオフの風は、先ほどと状況はほとんど変わっていません。さっきタンデムが飛んだ一瞬だけアゲインストが吹いたのかなぁ〜。。。

フォロー気味のため、このテイクオフから飛び出すとランディングに届かない可能性があります。ランディングに近いほうがよいだろうと言うことで、ランディングに近い第2テイクオフ(名前不明のため仮称)に移動します。第2テイクオフの方がかなり長く走る距離を確保できるのです。というよりスキー場なので、下まで走り続けることができるかも??(笑)

第2テイクオフの駐車位置に着くとニュージーランドの若手コンペンターのマークが雪で足場の悪くなっているところフラフラしながらテイクオフに向かって歩いていっています。その姿を見て、何とかテイクオフできるかも?ということで、koさん以外はマークの後を第2テイクオフへ

しばらくするとマークがかなり深い雪(20センチくらい?)の足場、弱いフォローという悪条件の中、果敢にテイクオフ!!しかし、やはり失敗!!しばらくウェイティングしていましたが、ここより30分くらい歩いて下に行った方がアゲインストが吹いているかもしれないので、マークは雪の深い中を移動していくと言います。すごいエネルギー!!「しかし、下まで行って飛べなかった時はここまで歩いて戻ってこないといけないってことだよなぁ〜。。。そんな根性はおいちゃんにはありません!!」と言うことで、私はここでウェイティングすることとしました。

とにかく機体を広げないことには飛べる風が吹いても飛べないので、「機体が濡れるの嫌だなぁ〜。。。」と思いながらも雪の上に機体を広げます。弱いフォローながらアゲインストに変わる様子がありません。しかし、時々一瞬だけ止む時があります。これを捉えてテイクオフするしかないと、背中に全神経を集中させます。弱いフォロー、止んだ、また弱いフォロー、止んだ。今だ!無風の中、ライズアップ!まっすぐ機体は上がってくれています。さすが!アエロン!さすが!ノバ!(笑)斜面を駆け下りると4〜5歩で浮きました。「よし!!」思わず声が出ます。とりあえずランディングに一直線!ランディング上空はそこそこサーマルがあるようです。ランディング側の山の斜面に張り付き、リッジを丁寧に拾いますが、上がったり下がったりでなかなか上昇することができません。しかし、我慢して待ち続けると強いサーマルが。。。「来た!」翼端にひっかける感じでぐぃと右急旋回。スパイラルに入る寸前くらいまでバンクをつけていきますが、+5メートルの上昇。かなり強い。あっという間にランディング側の山をトップアウト!さらに旋回を続けていると青いエアーウェーブのマジックFRが近づいてきます。マークだ!旋回を合わせて一緒にセンタリングしていきます。さすがにコンペ機。スピードが速い。合わせるのが大変です。(実は、マークの方が合わせるのが大変だったのかも??)まだまだいい上がりが続いています。徐々に山裏に流されていっています。マークは、ランディング側の山を越えて裏の山に取り付くつもりのようです。裏の山に取り付く勇気がない私は途中で離脱!しかし、マークはどんどん山裏に入っていき、結局クロカンに出て行ってしまいました。(後で聞いた話によると、マークはクロカンの後、10キロの道のりを歩いて人家があるところまで戻ってきたらしい。さすが!コンペンターは根性が違う。)結局1時間くらいソアリングをして無事にランディング。フライト時間1時間。

21時くらいまで明るいニュージーランドでは、まだまだ飛べるということで、クラウンテラスという別にエリアに移動。ここはフライトパークから30分ほど移動したリッジソアリングのエリアです。ランディングは基本的にトップラン。下には正式なランディングはないとのこと。しかし、5メートル以上の風が吹いています。観光タンデムは結構平気に飛んでいますが、私にとってはかなりの強風です。

koさんが早速テイクオフ!この強風の中、何事もないかのようにテイクオフしていきます。さすがにうまい!!私はと言うと、2度テイクオフに失敗。機体に引きづられてしまいました。が〜ん。。。3度目の正直でテイクオフ。久々の強風でのリッジソアリング。昔のホームグランド奈多海岸で飛んでいた時のことを思い出します。しかし、サーマル成分も混ざっているため、かなり強いところもあります。地元のフライヤーは平気な顔で飛んでいますが、強風に慣れていない私は、10分ほどでトップラン!このトップランする場所はテイクオフの少し後方になるのですが、非常に広い牧草地です。プレッシャーなく降りることができます。本当にうらやましい環境です。フライト時間10分。

今日は1日に異なったエリア2箇所もフライトすることができました。ニュージーランド最高!!

 
まるで絵葉書のようなクラウンテラス        広いスカイラインのテイクオフ

127日(火)

今日も快晴です。いつもは風が強いことが多いクィーンズタウンの街も今日は風が弱いようです。今日は、念願のスカイラインというエリアへ向かいます。スカイラインは、クィーンズタウンの街の上を飛べるエリアです。

テイクオフへはゴンドラを使って移動します。ゴンドラを降りた後は、皿倉山のように一人乗りのリフトでさらに上がっていきます。リフトに降りたところには、テイクオフにピッタリのスペースが。。。しかし、これは、観光タンデム用のテイクオフになっていますので、一般フライヤーは使うことができません。実は、一般フライヤーは、これから20分ほど担ぎ上げなければならないのです。装備が20キロを超える現在の装備で20分の担ぎ上げはめちゃめちゃきつい。。。思わず装備の重さを恨みました。

息も絶え絶えになりながらも、やっとテイクオフへ。やはりここも他のエリアと同じようにテイクオフに十分な広さがあります。うらやましい限りです。早速準備してテイクオフ!ゴンドラ駅の上空に向かいます。しかし、ところどころにはサーマルがありますが、小さくて回すほどの大きさがありません。エリアの注意事項にゴンドラ駅にあまり低い高度で近づかないように書いてあったのを思い出して、すぐにゴンドラ駅を離れ、谷を越えてもう一つの尾根に張り付きます。ここもやはりサーマルが小さくて回すことができません。ソアリングは諦めて街の上空へ移動します。念願のクィーンズタウンの街並みを堪能しました。女王にふさわしい街という意味で名付けられたクィーンズタウンのきれいな街の上空を飛ぶのは最高の気分です。その後は、ワカティプ湖の上空へ移動。びっくりするくらい青い湖面です。こんな綺麗な湖の上を飛べるなんてニュージーランドに来た甲斐がありました。20分ほどのフライトの後、無事にランディングしました。

やはりここのランディングも他のエリアと同様に広い。と言うより実はラグビー場なんです。普段はラグビー場として使われているのですが、ラグビーをやっていない時はランディングとして使用しているとのこと。「じゃ、ラグビーをしている時はどうするんですか?」と尋ねると、「まあ、めったに使ってないないから大丈夫。もしラグビーをしていたら隣の小学校のグラウンドに下りていいから。」と大らかなニュージー流。パラグライダーというスポーツは日本のようなセコセコした所で楽しむものでなく、ニュージーランドのような大らかな国でやるべきスポーツなのだとつくづく感じました。フライト時間20分。

さて、今日はフライトパークもいいですよ。とのkoさんのアドバイスもあり、スカイラインを飛んだ後に、すぐにフライトパークへ移動です。早速テイクオフに上がります。今日は第2テイクオフです。テイクオフは2〜3メートルの絶好の風。koさんが最初にテイクオフします。

その後を私がテイクオフ。岩肌剥き出しのサーマルポイントに向かいます。弱いサーマルはありますが、上がったり下がったりでレベルキープが精一杯な状態です。弱いサーマルがあるからにはいつか強いサーマルが上がってくると信じて粘りまくります。(いわゆる雑巾がけですね。)10分ほどたったでしょうか、やはり来ました!7〜8メートルの強力なサーマルが。体重を翼端が上がっている右側にしっかり移動し、翼端をひっかけるつもりで急旋回します。しかし、すごいエネルギーです。何度もサーマルに弾かれそうになります。左手をライザーに添えてさらに弾かれないようにしっかり体重を乗せていきます。ほとんどスパイラル状態なのですが、+5メートル以上で上昇していきます。「このサーマルを外したら、すごい下降風に叩かれるんだろうなぁ〜。。。こわっ!絶対外せないなぁ〜。。。」と思いながらも歯を食いしばって上げていきました。頑張った甲斐はあったのか、あっと言う間にコロネットピークをトップアウト。眼下には標高2,000メートル超えの世界が広がります。コロネットピークは2回目のトップアウトなのですが、前回は曇り空だったので50キロ先にあるワナカ湖がはっきりと見えませんでした。今回は青くキラキラと光ったワナカ湖が見えます。この風景を見ることができるのは、コロネットピークをトップアウトした者だけに許される特権です。

 
水の色が印象的なワカティプ湖             スカイラインランディング上空。ランディングは上の緑の部分。

ゆっくり景色を楽しみたいところですが、コロネットピークの上空は山表と山裏からのサーマルがぶつかって荒れ荒れ状態です。ワナカ湖のすばらしい風景の写真を撮ろうにも、この状態ではブレークコードから手を離す余裕がありません。しょうがないので、瞼にしっかり焼き付けたところで荒れ荒れの空域から逃げてきました。逃げる途中、2度、完全にテンションが抜けました。ひぇ〜と言いながらランディング上空へ。ランディングでは、koさんを遥か下のほうに発見。珍しく下の方にいるなぁ〜と思っているとあっと言う間にサーマルに乗って私の上空へ。さすが、フライトパークの全てを知っている方だなぁ〜と思いながら、私もkoさんのサーマルを使わせていただき、上空へ移動しました。しばらくkoさんと仲良くソアリングを楽しみました。と、突然koさんが翼端折。これは何かあると言うことで、私もすぐに翼端折+アクセル全開でどんどん高度を落としていきます。結局、koさんより先にランディングしました。その後、強風になり、ハンググライダーでもランディングに苦労していました。エリアの達人の動きは常にチェックすべきですね。フライト時間1時間30分。

今日は、念願のスカイラインを飛び、コロネットピークをトップアウトし、ニュージーランド最高の日となりました。

岩肌剥き出しのコロネットピーク付近の山々

以上、ニュージーランドベストフライト3本のレポートをお届けしましたが、クィーンズタウンでは飛べない時もジェットボート(湖面を時速80キロでかっ飛ばすボート)や蒸気船観光など色んな楽しみ方ができます。今回は一人旅でしたが、次回はクラブのツアーとして、大勢でわいわい行ってみるのも楽しいかもしれません。会長!次回はぜひご一緒に!(笑)